第29回日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医大会 会長
千葉大学医学部附属病院 成田赤十字病院肺がん治療センター 特任教授
成田赤十字病院 呼吸器外科部長
澁谷 潔 |
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第29回日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医大会の開催に当たりご挨拶申し上げます。
本専門医大会は、1994年1月28日の第1回大会から数えて第29回目となりました。長年にわたり肺癌を中心とした呼吸器内視鏡の臨床研究に携わってきた私としては、本大会をお世話させていただく事になり、大変光栄なことと存じます。
テーマは『呼吸器疾患の正確な診断と治療を目指して』とさせていただきました。私たち呼吸器内視鏡医は、日々患者さんの気管・気管支へ様々な径の気管支鏡を挿入し呼吸器疾患の診断と治療を行っています。内視鏡的器具の改良を重ね、病変部位への到達経路を推定し、新たな到達方法を作り出し、細胞・組織を採取し、細胞病理診断、細菌学的診断、更には最新の遺伝子診断へとつないでいます。これらは正確にそしてできるだけ早期になされることが要求され、現在の肺癌の薬物療法においては、driver遺伝子の確認を経て、最新の個別治療へと繋がっています。治療においても改良を重ねながら、新たなそして様々なmodalityを用いた内視鏡的治療が発展してまいりました。さらに胸腔鏡の分野でも、病変への新たな到達方法を作り出し、正確な診断と治療がなされています。
以上を踏まえ呼吸器内視鏡学会が誇る第一線の先生方を中心に講演をお願いさせていただきました。本専門医大会で得られた知識、届けられたmessageを、日々の診療と研究の糧にしていただきたいと思います。
Covid-19 pandemicは、私たちの生活パターンと共に日常診療の在り方を変えてしまいました。このような災いが続く中、幕張メッセ 国際会議場での現地+Web開催(Live配信)の準備を粛々と進めております。COVID-19の一日も早い収束を祈りつつ、先生方のご来葉を心からお待ちしている次第です。